【アナライズ】ストラヴィンスキー 春の祭典(Igor Fyodorovitch Stravinsky – Rite of Spring)第10楽章

アナライズ

ストラヴィンスキー 春の祭典(Igor Fyodorovitch Stravinsky – Rite of Spring)第1第2第3第4第5第6、7第8第9楽章の続き。

今回は第10楽章 「Mystic Circle of The Young Girls(乙女の神秘的な踊り)」

この動画を元にアナライズをしていきます

4:22〜前の楽章からそのまま繋がる。6人のヴィオラのソリ。このパートだけシャープついてる。チェロ、コンバスはF#、B、C#、Eのアルペジオをピチカートとハーモニクスで。毎小節拍子が変わってる。

神秘的という解釈って色々あるんだなあと。

4:52〜トランペットとホルンのpppが美しい。

4:55〜火の鳥でも出て来た感じのアプローチ。ピチカートとクラのトリル、長2度インターバルで上昇するヴァイオリンのトレモロ。その後Gのフルートで下の音域、ヴァイオリンはかなり弱く。

5:13〜長2度インターバルのヴァイオリンの上下を長7度インターバルのクラリネットが挟んでるという異様なフレーズ。ポリリズムっぽくも聴こえる。
春の祭典第10楽章_2

5:32〜楽器が入ってきて一瞬豊かに聴こえるけどスコアはむちゃくちゃ・・・・まずヴァイオリンが半音違いで平行。メインのフレーズを装飾してるのかなんなのか微妙。これはわりと意味がわからない・・・・・
春の祭典第10楽章_1

5:40〜雰囲気変わる。ホルンのppppとか怒られる気しかしない。シーケンス的な感じかと思いきや毎小節拍子が違う。パクってみよう。バスクラの音色が効いてる。

6:17〜senza sord(弱音器を外して)ホルンのアンサンブル。美しい。チェロがハーモニクスのトレモロ。

6:52〜またもや先ほどのモチーフを使う。ハーモニーが不思議で粗野。

7:11〜チェロ以外の弦がハーモニクス。フルートの上部吹奏。和音と伴って、ヒステリックで異常な雰囲気。

7:26〜ミュートトランペットで雰囲気変わる。徐々にテンポと強さを上げていく。音色を渡すフレーズからのキメ。

3rdホルンが「pavillons en I’air(ベルに手を入れずに高く上げて、狩猟ホルンのような鋭い音で吹く?)」の指示。

こういう上昇のフレーズは上昇のカーブが違うものやグリッサンドを混ぜるのがセオリー。あと、下降するラインと、金管はまた別のライン。キメの部分で低音をしっかりと出す。和声機能を感じない所がかっこいい。
春の祭典第10楽章_3-3

7:43〜弦と打楽器の4分で次の楽章へ。

 

今回は半音違いのハーモニーを維持しながらのフレーズが多く、和声機能がさらに曖昧になった感じでした。作りながら新しいアプローチを思いついていってるよね。っていう。

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このスコアで見てます。

イーゴリ・ストラヴィンスキー – Wikipedia

春の祭典 – Wikipedia