重厚なブラス音源、ProjectSAM『ORCHSTRAL BRASS CLASSIC』のレビューと全音色解説やるよ その2

ソフトウェア音源

「ProjectSAM『ORCHSTRAL BRASS CLASSIC』のレビューと全音色解説やるよ その1」からの続きです。今回はバストロンボーン、テナートロンボーン、トロンボーンセクション、チューバ、チンバッソ。

5 Trombone solo

Bass Trombone

低音のアタックがオケに混ぜた時に抜けてくるのかちょっと心配。ある程度エフェクトをかけないといけないかも。

01 KEY
Sustain、Marcato long、Marcato short、Staccato、Accented marcatoが割当てられてます。C3からキースイッチが当てられてる。

02 sustain
カサカサした音で木管っぽさすら感じる。低音のffの唸るような響きはなかなか使えそう。弱い音でのレガートはつながりが悪いので使えなさそう

03 marcato long
「はっきりと」。アタック感はなかなかあってよろしい。ちょっと金属っぽい響きもある。シーケンスフレーズをやると打ち込み臭くなりそう

04 marcato short
ショートといいつつ割と長い。使いやすそうではある

05 staccato
「短く切る」。割れるような音でなかなかいい効果を出してくれそう。強弱の表情もあっていい感じ

06 acc marcato
スフォルツァンドのような感じ。長さはshortと同じくらい。

Tenor tombone

柔らかくて線が細い感じ。僕は割と使いそう。

01 KEY
Sustain、Hard sustain、Marcato long、Marcato short、Staccato、Staccatissimo、Crescendo slow、Crescendo fast、Espressivo、Diminuendo、Phrase、Effectsをキーで切り替えられる。かなり多い。E4からがキースイッチ。

02 sustain
カサカサ感があるものの、柔らかい高音のフレーズは良好。少しスタッカートしてるフレーズでも大丈夫そう。相変わらずレガート繋がりが悪いので、そこらへんの対策を考えたい所。

03 sustain DYN
モジュレーションホイールでベロシティが切り替わる。切り替わりは自然で、テナー独特の線の細さがいい感じ。

04 hard sustain
アタックが極端に強い感じ。高音のffで唸る感じがあっていい。

05 diminuendo
「次第に弱く」。ffから弱くなる感じ。結構長く録っあるので使い勝手よさそう。高域のビリビリ感ある。

06 espressivo
「表情豊かに」。アタックがゆっくりと始まるsustain音色、といった感じ。状況でsustainと使い分けるとよさそう。

07 marcato long
「はっきりと」。アタック感はまあまあといった感じですけど、表情もあってなかなかよいです。ffの時の唸りもいい感じ。

08 marcato shorts
なかなかよいです。低音の感じも好き。

09 staccato
「短く切る」。表情がよいです。mf、fあたりの感じが好みです。

10 staccatissimos
ffがいい感じです。強い。

11 cresc slow
表情の変化といい、余韻といい、かなりいい感じ。長さが決まってるのでそこをどうにかしたい。

12 cresc fast
一番強い所から終わりまでががちょっと長いかも。音自体はいい感じ。

13 phrases
3連でfでのフレーズ。タタタターってやつ。使いどころに困る感じ・・・

14 Effects
スライドでのエフェクト。下降、上昇、それらの連続。ゆっくりめなフレーズのみ。

6 Trombone section

[Portrait of Buddy Morrow, New York, N.Y., ca. Sept. 1946] (LOC)

鋭くはないけど厚い音、グリスはアップしかない。もっとバリエーション欲しかった。

Articulations

01 KEY
sustain、Marcato long、Marcato mid、Marcato short、Staccato、Staccatissimo、Muted sustain、Diminuendo、Crescendo slow、Crescendo fast、Crescendo flutter、がキースイッチで切り替わる。

02 sustain
かなり柔らかい。一応ffの時にヴァーっていう感じの音になるけど、鋭くはない。厚みはあるので、特に低音の和音は良好。

03 sustain DYN
モジュレーションホイールでベロシティが切り替わる。つながりは自然。特に低音の唸る感じの響きがいい。

04 hard sustain
アタック強め。使い勝手はよさそう。鋭くはない。

05 diminuendo
「次第に弱く」。表情があっていい。金属っぽい響きもあって、使いそう。

06 mute
ストレートミュート、でいいのかな?音が薄くなる感じ。

07 marcato long
「はっきりと」。ちょっと短いような気も。あと途中で音を切った時が不自然。

08 marcato mid
longより若干短い程度

09 marcato short
うん、短い。鋭くはない。

10 staccato
「短く切る」なかなか使い勝手がよさそう。p〜fまでなかなかオイシイ音してる。

11 staccatimo
鋭くはないけど厚くて強い。

12 cresc slow MOD
雰囲気はいい。わりと短い気が。モジュレーションホイールで切り替わるけど、どこが違うのかわからない・・・・

13 cresc fast MOD
こっちのほうがダイナミクスがあって気持ちいい。MODホイールの違いは分からない。

14 cresc flut MOD
フラッター。高音でも低音でもかなり面白い効果。使おう。MODホイールはry

15 gliss MOD
グリスアップからのスタッカート。MODで柔らかい音と鋭い音に切り替えられる。

16 intervals KEY
短3度、長3度、4度、5度へのレガート。使うの難しそう。

Effects

01 fx textures 1
複数でスライドを使いながら不穏な音。

02 fx textures 2
01のバリエーション

03 fx slides
ロングトーンでスライドを使った効果音。結構バリエーションある。

04 cluster
クラスター和音。フォルテのみ。

05 cluster stac
クラスターのスタック。これもフォルテのみ。

06 cluster cresc
クラスターのクレッシェンド。例の感じ。使い勝手よさそう。

07 cluster flut
フラッターのクラスター。面白い。

7 Tuba

Members of Franklin High School band with train, Snoqualmie Pass

Cのコントラバス・テュバ。B♭-1の音まで出る。”ドビュッシーやラヴェルの音楽よりもワグネリアン・スタイルの音楽にいっそうふさわしい”とある。

01 KEY
Sustain、Hard sustain、Marcato long、Marcato short、Staccato、Stacctissimo、Staccato klezmer、Espressivo、Crescendo slow、Crescendo fast、Diminuendo、Effectsをキースイッチ切り替え。スイッチはF3から。

02 sustain
重い。暗くて太い。金属的な響きは少ない。オケに混ぜた時にどうなるか。

03 sustain DYN
MODホイールでベロシティが変わる。音量、音色ともそこまで変化しない感じ。

04 hard sustain
アタックに「ブリ」っていう感じがあって気持ちいい。割と使いそう

05 diminuendo
「次第に弱く」。強い音のみ。低音の唸る感じが心地いい。

06 espressivo
「表情豊かに」。少しクレッシェンドするロングトーン。雰囲気があるので重宝しそう。

07 marcato long
「はっきりと」。短いw 楽器の性能を考えるとこのくらいが妥当か。音はブリブリいっててなかなかよい。

08 marcato short
longより若干スマートに聴こえる。

09 staccato
もうちょっとアタック感欲しかったかも。C♯0が辛そうなのは楽器の性能かな。高音がなかなか面白い音してる。

10 staccatissimo
あまり09と変わらない。金属的な響き欲しい・・・・

11 staccato klezmer
よくわからない奏法。ユダヤ系の伝統音楽をklezmerと言うらしいですが、それに関係してるのかな。ちょっと柔らかめのスタッカートといった感じ

12 cresc slows
かなり雰囲気がいい。これは使いそう。低音の唸りが気持ちいい。

13 cresc fast
割と長い。これも使う。

14 phrase KEY
C3で8分の刻み、C♯で16分の刻み。使いどころ難しそう。

15 Tuba Effects
エフェクトというかフレーズ。上下したり。なかなかバリエーションがある。

8 Cimbasso

詳しくないので調べました

”イタリアで用いられた、バルブ・トロンボーンの一種または近縁の楽器。ロータリー・ヴァルヴ式で、音域はコントラバス・トロンボーンやチューバと同じである。主としてヴェルディやプッチーニなどのイタリア・オペラでチューバの代わりに用いられる。通常はチューバ奏者が担当する。トロンボーン – Wikipedia

きれいな音を出したい時はチューバじゃなくてこっちがいいみたい。B♭-1まで出て、チューバよりも固い音。音は結構好みです。

折れ曲がったトロンボーンみたいな見た目。

01 KEY
Sustain、Hard sustain、Marcato、Staccato、Staccatisimo、Crescendo slow、Crescendo fast、Diminuendo、Phraseがキーで切り替えられます。

02 sustain
低音の感じはバスクラリネットにも似てる。ちょっと固い音。

03 sustain DYN
音色の変化がはっきりしてて面白い。使えそう。

04 Hard sustain
金属的なアタックですこし鋭さがある。ブリっとした音も。

05 diminuendo
「徐々に弱く」。強い音のみ。低音までくっきり聴こえる

06 marcato
「はっきりと」。割と短い。金属的な響きと心地よいアタック感。

07 staccato
「短く切る」。余韻がちょっと長い。「ビリ」っていう感じ。

08 staccatissimo
アタック感とビリっとくる感じある。低すぎるとあまりよくない。

09 cresc slow
「徐々に強く」。かなり雰囲気いい。バスクラリネットみたいにも聴こえる。これは使える。

10 cresc fast
わりと長い。気持ちいいダイナミクス。

11 phrase
8分の連続音。なぜかかなりフォルテッシモで吹いてる。

12 effects
上下したりぼわぼわいったり結構バリエーションある

おわりに

多かった・・・・チンバッソが意外な収穫でした。かなり使うと思います。

実際には音色の使い分けがすごく大事だなあと思います。場面や効果に合う物をいかに適切に選べるか。

リンク

■Orchestral Brass Classic

その1はこちら

【ソフト音源】シネマティックで重厚なブラス ProjectSAM ORCHSTRAL BRASS CLASSIC のレビューと全音色解説やるよ その1【デモあり】